宇宙くじらと野原のかえる

こどもとわたし、宇宙船・地球号での日々で想うこと、感じること

モテへのモチベーションは奇跡を起こす!?

息子は保育園の頃から、冬場は口の周りを舐め回して真っ赤にしてしまう。

べろべろべろと器用に舐め回し、

口の周りを真っ赤に腫らしてしまう。

 

今年はただ舐め回すだけでなく、

舐めるときに舌に手を添えてグイッと舌を持ち上げる。

それで舐めるのだから、上は小鼻の上あたりまで、

下は顎の下まで。

 

そんなに舌の可動域ってあるのか!

いや、そもそも、そんな舐め方を開発したのか!

 

とびっくりするくらい、めちゃくちゃ器用に広範囲を舐め回す。

 

おかげでくまごろうや、カールおじさんのような顔になってしまった…。

舐めたところをタオルでゴシゴシ拭くのでさらに荒れて、

血が出る時も。

 

おそらくチックの一種で、

自分の意思ではどうにも止められないし、

皮膚科で貰った薬を塗るのも激しく嫌がる。

 

心理士さんには、落ち着くための薬を飲むことも勧められた。

 

でも、今はひどいけどもう少し成長したら自然と舐めなくなるかもしれない、と考え

薬な飲まない、ワセリンは息子が寝た後に私が塗る。

それでもう舐めたいだけ舐めたらいい、

時が解決してくれよう…と

なかば諦めた気持ちになって見守っていた。

 

学校でクラスメイトに色々言われないか、そのことで息子が傷つかないか、

それはすごく気になっていたが、

担任の先生がとってもいい先生で、

たとえ悪気がなくても舐め回しのことを言わないように

しっかりクラスメイトに話してくれていた。

そのおかげで息子が学校に行くことを嫌がることはなかった。

学童では上の学年の子に少し言われたみたいだけども。

(一度だけ、クラスメイトがからかうようなことを言ったらしいが、

しっかり先生が対応してくれて、その後ひどくなることはなかった。)

 

そんなことで、まあサイアクの事態にはなっていないし、もう少し(諦めて)見守ろう…と私は思っていた。

 

しかし、昨年末に私の実家に2泊ほど帰ったときに私の母が見るに見かねて

「こんなの本当は良くないと思うんだけど…」

と言いながら驚きの秘策を繰り出した。

 

その名もクリーム貯金!

 

クリーム(ワセリン)を一度塗ったら10円もらえるのだ!

しかも1日に8回くらいは塗るので、さらに連続で塗ればボーナスポイントとかも付くので

見る間に10円が貯まっていく。

なんじゃそりゃあ!私の母、天才…。

(息子の母として私には踏み込めない秘策だったのだが、そこはおばあちゃん特権だ。)

ちゃりんちゃりんと貯まる10円。

これがあと何枚貯まったら、ポケモンカード の拡張パック買えるやん!

気を良くした息子、どんどんワセリンを塗ってあっという間に症状が治まってきた。

 

息子も、ワセリンを塗れば治るというのが目に見えて分かり、

しかもお金も貯まり、

一石二鳥!

そして綺麗になってきた顔を鏡に写し、

嬉しそうな息子。

 

しかし、

年が明けて学校も始まるとやっぱり元どおり。

あっという間に真っ赤な口周りになってしまった。

 

クリーム貯金でもダメだったか…と今度こそ本当に諦めるしかない…と思っていたんだけど。

 

あることをきっかけにあっという間に治った。

 

今までのあれやこれや、少しでも治そうと苦労したのは何だったんだろうって思うくらい

あっさりと治った。

 

何で治ったかというと、

 

それは女の子の存在だった…。

 

モテへのモチベーションは、チックも治す!

 

と言ってしまってもいいのかな。

 

いやはや、親族一同、どうしたら舐めなくなるのか、ワセリンを塗ってくれるのか、綺麗な顔が戻るのか、ハラハラしながら見守っていたんだけど。

 

モテへの情熱、万歳!

 

それは、保育園の同窓生で近所に住んでいる女の子とスケートに行くと決まったときだった。

 

「息子くん、明日AちゃんとAちゃんのお母さんと一緒にスケートに行くよ〜」

 

え!!

 

と驚き、嬉しそうにする息子。

Aちゃんは1歳児クラスの時から一緒で、

保育園でもしょっちゅう一緒に遊んでいた。

さらにバレンタインにもチョコレートをくれる可愛くて優しくて、穏やかな女の子なのだ。

 

しかし息子の顔は赤い…くまごろうのままだ…。

 

そのお顔、Aちゃんはびっくりするかもしれないと思い、

言っていいのかな〜と迷ったけど恐る恐る言ってみた。

「息子くん、Aちゃんに会うんだからお顔が綺麗になってる方がいいかもしれないね」

「それもそやな!」

 

息子、その瞬間に鏡の前に行き、ベッタベタにワセリンを塗り出した。

(今までそんなに自主的にワセリン塗ってる姿を見たことないぞ…)

 

「たくさん塗ったら早く治るかもしれへんしな♪」

ワセリンをテッカテカに塗る息子。

 

(とは言え、スケートは明日なのだ。Aちゃんと会うのは明日なのだ…。治るのか…。)

 

お風呂でも私の上等の洗顔石鹸をモクモクに泡立て、

コマーシャルか!と突っ込みたいくらいのふわふわの泡で優しく優しく顔を洗い、

洗い終わった自分の顔を風呂場の鏡で念入りに確認。

鼻の下は唾液と埃が混ざって黒くコーティングされたみたいな汚れが付いていたけど、

それが綺麗にとれたか何度もゴシゴシ鼻の下を拭いて確認。

 

「よしっ綺麗になったな!」

 

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さらに寝る前もテッカテカにワセリンを塗りたくり、

「たくさん塗ったら早く治るしな♪」

幸せそうに就寝。

 

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そして奇跡は起きた。

 

翌朝。

 

え?あのくまごろう、どこ行った?

というくらい、

ツルッツルすべすべの顔になった息子が起きてきた。

その顔でAちゃんとスケートに行った。

 

スケート場では、めっちゃ幸せそうなニッコニコの笑顔でAちゃんと遊ぶ息子がいた。

 

モテへの情熱…恐るべし…。

 

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そしてそれ以降、リバウンド?することもなく、

ツルスベのまま日々を過ごしている息子です(笑)

 

後日、このことをスクールカウンセリングの先生に話したら

 

「ほお、そういう意識があったんですね✨」

と笑いながらも感動したように言われて、

そういうええ話やったんやな!と気付いた私です。